第6回 作詞と作曲、どっちが先?

2025年5月28日

〜メロディから生まれる言葉、言葉から生まれるメロディ〜

こんにちは。「ゼロから始める作曲講座コラム」第6回です。
今回のテーマは、誰もが一度は迷うこの問い――

「作詞と作曲、どっちを先にしたらいいの?」

結論から言うと、どちらでもOKです。
実際、プロの作曲家たちも両方のやり方を使い分けています。
大切なのは、自分に合った方法を見つけることです。


■ ① メロディ先行型:感情から生まれた旋律に言葉をのせる

まず多いのが、「メロディが先にできる」タイプです。
この場合は、鼻歌や直感的な旋律からスタートします。

メリット:

  • 感情をそのままメロディで表現できる
  • 歌いやすさや音の流れを優先できる
  • DAWやスマホで“録音してから考える”作り方ができる

どう進める?

  1. 録音したメロディを何度か聴く
  2. 音の雰囲気から「言葉のイメージ」を探る(例:「切ない」「眩しい」「祈り」など)
  3. そこから連想される言葉をメロディに乗せていく

例:
明るいメロディ → 「光」「朝」「はじまり」
切ないメロディ → 「涙」「君」「もしも」


■ ② 作詞先行型:伝えたい想いを言葉にしてから曲にする

もう一方は、「言葉(歌詞)を先に書く」タイプです。
書きたいテーマがあるときや、表現したい想いが強いときに向いています。

メリット:

  • メッセージが明確になる
  • 言葉と音のリズムが最初から合う
  • 詩的な表現やストーリーを重視できる

どう進める?

  1. まず短い詩やフレーズを書いてみる(4行でもOK)
  2. それを声に出して読んでみる(自然な抑揚を意識)
  3. 声の“高くなるところ”や“間”を参考に、メロディをつける

例:
「さよなら、じゃなきゃよかった」
→ 低めに始まり、最後の「よかった」で高くなるメロディを乗せる


■ ③ どちらも行き来する「ハイブリッド型」

最近の作曲では、途中で行き来する作り方も

たとえば:

  • メロディを作ってから、それに合う歌詞を考える
  • 歌詞を一部変えたくなって、またメロディを修正する
  • 仮の言葉(ラララや英語風)でメロディを完成させ、後から日本語に置き換える

完成までの間に「歌詞→メロディ→歌詞→メロディ…」と往復することで、
より自然で心に残る曲に育ちます。


次回予告:「ワンコーラスを完成させよう」

次回はいよいよ、Aメロ→Bメロ→サビの構成を学びながら、
「1曲を“形”にするステップ」に入っていきます。


🎵 本日のミニワーク

  1. どちらのタイプが自分に合っていそうか、考えてみましょう
  2. できれば、
     - メロディだけ作って、あとから言葉をのせてみる
     - 短い詩を書いて、そこにメロディをつけてみる
     の両方を試してみてください!